結婚後に名義変更するもの一覧。必要書類や手続きを詳しく解説!
新しい姓となり、新生活がスタートする花嫁さん。
結婚すると婚姻届以外にも、様々な手続きが必要となりますが、特に注意が必要なのが名義変更です。
姓が違うだけで事務手続き的には別人と同じ扱いになるので、手続きし忘れてしまったり時期を間違えてしまうと、あとあと困ってしまうことに…。
結婚にともなう名義変更について、必要な書類についてまとめました。
また身分証明書の旧姓併記についての情報も、記事内でご紹介しておきます。
この記事のポイント!
- 結婚(入籍)で苗字が変わる人向け
- 結婚にともなう名義変更の順番に悩む人向け
- いつ・どこで・どのように名義変更するかがわかる
入籍後の名義変更の前に!手続きに必要なもの
結婚にともなう名義変更手続きは、入籍後にしかできないケースがほとんど。
でも、新姓の印鑑など入籍前に準備できるものもあります。
新しい姓になっての新生活をスムーズに始めるためにも、結婚前から準備を進めおきましょう。
- 新姓の印鑑
- 本人確認書類(身分証明書)
- 戸籍謄本
- 婚姻届受理証明書(戸籍謄本の代わりに)
新姓の印鑑
新姓の印鑑が必要となります。
印鑑は、【認印、銀行員、実印】の3種類があり、必要に応じて使い分けることになります。
- 認印…役所での各種手続きや賃貸契約、日常生活(宅配便の受取など)、仕事などで使用
- 銀行印…金融機関との取引で使用
- 実印…役所に印鑑登録をした印鑑。重要な契約(不動産の購入)や遺産相続などで使用
実印は、必要になってから用意する人もいますが、あらかじめ作っておいて、婚姻届・転入届の提出と同時に、役所で印鑑登録をしておくと、あとあと便利です。
宅配便の受け取りなど、用途によっては100円ショップで購入した印鑑でもOK!
でもこれからずっと付き合っていく姓の印鑑なので、きちんとしたものを用意しておくことをオススメします。
本人確認書類
本人確認書類として、マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど顔写真付きのものが必要です。
顔写真がない健康保険証、住民票の写しなどは、2種類以上の証明書類が必要となることがあります。
戸籍謄本
婚姻届を本籍地と別の場所で婚姻届を提出する時には、戸籍謄本が必要となります。(※)
戸籍謄本は、本籍を置いている都道府県・市町村の役所に取りに行かなくてはならないので、前もって準備が必要!
戸籍謄本の取り方
戸籍謄本は、本籍のある市区町村の役所で手に入ります。
申請者本人以外にも家族が代理で申請できますが、申請者の委任状が必要。
本籍地の役所に行けない場合は、郵送で取り寄せることも可能です。市区町村のネット上から申請書をダウンロードして、送りましょう。
本籍地から離れて住んでいる場合は、結婚挨拶や顔合わせなどで帰省した際に、戸籍謄本を取得しておくのもいいかもしれません。
戸籍謄本の代わりになる「婚姻受理証明書」が便利
婚姻届受理証明書とは、婚姻届が役所に正しく受理され、法的に二人が婚姻関係にあることを証明をする公文書です。
婚姻届の提出後に新しい戸籍ができるまで時間がかかり、名義変更の手続きなど戸籍謄本が必要な場面で困ってしまう場合も。
こんな時に戸籍謄本の代理書類として使えるのが「婚姻届受理証明書」です。
必要になりそうと思ったら、婚姻届を提出した際に「婚姻届受理証明書」(有料)を入手しておきましょう。
「婚姻受理証明書」は、役所によっては様々な形式(デザイン)があり、かわいくて記念になる!と、結婚の記念に取得するカップルも多いようです。
婚姻届受理証明書が使える場面
- 本籍地と住民票の住所が異なる場合の住民票の取得
- パスポートの手続きで必要な戸籍謄(抄)本の代理書類として(申請時のみ)※
- 失業保険の受給手続き
- 結婚したことを会社に届けることが必要な場合
※パスポートの新規発給・変更手続きで婚姻受理証明書を使用できるのは、海外に出発するまでに戸籍謄(抄)本が間に合わない場合のみ。
帰国後に戸籍謄(抄)本ができたら提出することが義務付けられています。
Column
男性の名義変更は4%のみ
厚生労働省が発表した「平成 28 年度 人口動態統計特殊報告」で、結婚をして男性・女性どちらの姓にするかの調査で、男性が女性の姓になる割合は4%(2015年)。
ただ組合せ別に見てみると、女性が再婚の場合、男性が女性の姓になる割合が高い傾向にあるようです。
- 男性女性ともに初婚:2.9%
- 男性が初婚・女性が再婚:6.6%
- 男性が再婚・女性が初婚:5.0%
- 男性女性ともに再婚:9.0%
結婚にともなう、名義変更の手続き一覧と効率のいい順番
【優先度★★★】
【優先度★★☆】
【優先度★☆☆】
1.婚姻届
役所では、まず婚姻届を提出します。
婚姻届は24時間受け付けていますが、不備があると受理日がずれるので、市区町村の役場の窓口が開いている時間に提出するのがオススメです。
婚姻届に捺印する印鑑は認印でも大丈夫ですが、朱肉を使う印鑑を使いましょう。
シャチハタなどゴム印は不可とされています。
証人に捺印してもらう印鑑もゴム印は不可です。
婚姻届提出に必要なもの
- 印鑑(婚姻届に捺印した旧姓の印鑑。不備があり訂正する時に必要)
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)
- 戸籍謄本(本籍地の役所に提出する時は不要)
最寄りの役所(※転入先・住民票の移動先だと便利)
土日祝日も婚姻届は出せる!休日に提出するときの注意点
婚姻届を出した後もしばらく別居する「別居婚」の手続き
2.転入届
婚姻届を提出したら、次は転入届を提出します。
転入届は、転居後14日以内に引越し先の役所に提出します。
婚姻届と同じ日に提出する場合は、婚姻届を先に提出します。
- 転出証明書(転出届提出時にもらえる)
- 本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど顔写真付きのもの)
- 印鑑(新姓のもの)
転居先の役所
3.住民票の写しを取得
転入届を提出したら、新姓・新住所の住民票の写しを取得しましょう。
婚姻届提出→転入届提出、という流れなら、当日に住民票の写し(新姓・新本籍記載)を手に入れることができます。
住民票の写しは、免許証の名義変更など、このあとの様々な名義変更手続きに必要です。
何度も役所に行かなくてもいいよう、少し多めに2枚程度は取得しておいた方がいいかもしれません。
なお運転免許証を持っている人は、本籍地が掲載されている住民票の写しが必要となります。
黙っていても本籍地記載の住民票はもらえないので、必ず「本籍地記載の住民票をください」と伝えて。
ちなみに大前提として、住民票が取得できるのは、住民登録をしている場所の役所に限ります。
神奈川県に住んでいて、東京都で住民票は取れません。
もし住民票記載の住所と、異なる場合で婚姻届を提出する場合、婚姻届を出した役所で「婚姻受理証明書」をもらっておきます。
住民登録している役所に行き、婚姻届受理証明書を出せば、新しい住民票をスムーズに取得できます。
- 本人確認書類 (旧姓のままの運転免許証でもOK)
- 手数料(300円程度)
転居先の役所
4.国民年金や国民健康保険
国民年金手帳(第1号被保険者のみ)、国民健康保険証(加入者のみ)の、名義変更・住所変更も必要です。
役所で行う手続きになるので、住民票の写しを手に入れた段階で、同時に行っておきましょう。
- 新しい住民票の写し
- 被保険証や年金手帳
- 印鑑(新姓)
住民登録をしている地の役所
結婚後の健康保険変更手続き「何」を「いつまで」に?【共働き・退職】
5.マイナンバーカード・通知カード
マイナンバーカードは身元確認書類として有効です。
運転免許証がない人は早めに手続きをすることをオススメします。
結婚をきっかけにマイナンバーカードの発行申請する場合は、通知カードに変更事項を裏書きしてもらってから申請します。
- マイナンバーカード・マイナンバー通知カードのどちらか
- 本人確認書類(新姓) ※
※この時点ではまだ新姓のものがないので、新しい住民票の写しや、名義変更手続きを済ませた年金手帳・健康保険被保険証などで手続きをします。
住民登録をしている地の役所
結婚後はマイナンバー(通知カード)の氏名変更も忘れずに!手続き方法
ここまでが、役所で行える名義変更手続きの一覧です。
なるべく1日で済ませるように、事前準備を念入りにしておきましょう!
6.運転免許証
役所での手続きが終わったら、次に、免許証の変更手続きをしましょう。
運転免許証は身元確認書類になるので優先して手続きをしてくださいね。
平日に役所出名義変更の手続きを行った場合、できれば、その日のうちに免許証の変更手続きをしましょう!
- 運転免許証
- 新しい住民票の写し(本籍地記載のもの。マイナンバーが記載されていないもの)※
- 申請用写真1枚(必須ではないが、住所変更で「都道府県」が変わる時に必要となることも。管轄警察に問い合わせを)
※新しい住民票の写しで、マイナンバーが記載されている場合は、サインペンなどでマイナンバー部分を塗り潰せば使えます。
管轄の警察署、運転免許試験場、運転免許センター※
※東京都内の場合、警察署・運転免許更新センター・運転免許試験場の受付時間は、平日8:30~17:15(他県では、昼休みに業務を行っていないところも)。
警察署、運転免許更新センターは土日祝日、年末年始は業務を行っていませんので、「休日にしか手続きに行けない!」という場合は、運転免許試験場へ。
日曜日の8:30~12:00と13:30~17:15で手続き可能です(土日祝・年末年始は休み)。
7.車(車検証)の氏名変更
車を所持している人は、車検証の氏名変更や、引っ越した場合は新たな車庫証明も必要となります。
法律では、婚姻が受理されてから15日以内に管轄の運輸支局、もしくは自動車検査登録事務所で、車検証の氏名変更の手続きをしなければなりません。
氏名変更をしないことによる罰則は特にありませんが、事故に遭った場合保険金の請求ができないこともあります。
手続きを行う機関が遠い所にある、受付時間に行けない場合のほか、様々な書類が必要で手間がかかることから、業者(有料)にお願いしている人も多いようです。
- 車検証
- 戸籍謄本(発行から3ヵ月以内)
- 手数料納付書
- 納税申告書
- 申請書
- 手数料
管轄の運輸支局、自動車検査登録事務所(代理業者に手続きを委託することも可能)
8.パスポート
パスポートの変更手続きは、2週間程度かかります。
新婚旅行で海外へ行く人は、入籍してすぐに手続きしないと間に合わないことも。
旧姓のパスポートでも海外旅行は可能ですが、パスポートの名義と航空券の名義が同一でないと、飛行機に乗れなくなるので注意しましょう。
- 一般旅券発給申請書
- パスポート
- 戸籍抄本(謄本でも可)※
- 45x35mmの写真1枚(6ヶ月以内に撮影)
- 手数料(記載事項変更は6,000円、切替更新・新規申請は5年11,000円、10年16,000円)
※パスポートの変更・切替をする人は戸籍抄本(謄本でも可)も必要。婚姻届を出して、氏名と住所が新しくなってから戸籍抄本(謄本)を用意しておきましょう。
最寄り(住んでいる都道府県内)のパスポートセンター
結婚後パスポートの変更は必要?手続き方法や必要日数を解説!
【新婚旅行】パスポートが旧姓のままでも海外旅行可能!条件&注意点
Column
戸籍謄本と戸籍抄本の違い
- 戸籍謄本:原本の内容のすべて(戸籍全員)を写している。「戸籍の全部事項証明書」とも。
- 戸籍抄本:戸籍の一個人のみを抜粋して写した書面。「戸籍の個人事項証明書」とも。
9.銀行口座
銀行口座の変更は、引落しなどで支障が出ないよう、入籍後早めに手続きをしましょう。
また給与振込先の口座名義を変更した際は、勤務先にも知らせないと給与が振り込まれなくなるので、気をつけましょう。
口座名義変更に必要なもの
- 預金通帳
- キャッシュカード
- 届出印(旧姓・新姓の両方)
- 本人確認書類(運転免許証など新旧氏名がわかるもの)
最寄りの支店の窓口
※当座預金・住宅ローン・住宅金融支援機構融資・財形預金などの取引がある場合は、口座開設した取引店で手続きする必要がある。
10.クレジットカード
引き落とし口座の名義が変わったのにカード名義が変わっていないと、カードが使えなかったり利用代金の引落しができなくなるケースもあります。
クレジット会社に電話をするか、クレジット会社のホームページ画面上で手続きをすることになります。
- クレジットカード
- 印鑑(新姓)
- 本人確認書類
- 申請用紙(取り寄せ・インターネット経由でダウンロード可能な場合も)
電話やインターネットで申請用紙を取り寄せ、郵送(ネット上で変更可能な場合も)
11.生命保険・損害保険
保険料引落しや保険金支払いなどに支障が出るため、早めに保険会社に連絡して手続きします。
生命保険・損害保険の氏名変更手続きに必要なもの
- 保険証書
- 本人確認書類
- 届出印(旧姓・新姓の両方)
12.携帯電話
氏名変更は新しい住民票が用意できたら、ショップで手続きを。
特に携帯代金とあわせて決済するシステムを利用している場合は、なるべく早めにしましょう。
- 本人確認書類
- 使用中の携帯電話
- 登録IDやパスワード
- 印鑑(必要となることもあります)
13.インターネット・ケーブルテレビ
引越しが決まったら、利用しているプロバイダ、ケーブルテレビに住所変更と名義変更の手続きをしましょう。
利用しているプロバイダ、ケーブルテレビ会社によって、やり取りが必要となる書類、手続きの方法も異なりますので、HPで確認を。
14.ネット通販・webサイトなど
インターネットで通販をしている人は要注意!
支払いに使うクレジットカードや引き落とし口座の名義を変えたら、通販サイトのユーザー登録画面で、氏名・住所、カード情報など必要な箇所を変更しましょう。
15.国家資格など
国家資格などを取得している人は、氏名変更の手続きが必要なケースもあります。
資格ごとに違うので、資格を管理・管轄している省庁や法人に問い合せましょう。
16.会社で手続きが必要なケースも
給与の振込口座の名義が変わった時点で、勤務先にも報告する必要があります。
給与が口座に振り込まれない、お祝い金や家族手当が出ない、扶養に入れないなどさまざまな支障が出ます。
会社によっては就労規則で「結婚の報告」を義務化しているケースもあり、最悪の場合懲戒処分となることも。
どの時点で報告が必要なのか、勤務先の就労規則をチェックしておきましょう。
17.その他、ライフライン関連の手続き
ここまで紹介した項目以外にも、ガス、電気、水道、NHK、郵便、宅配便などでも、解約や名義変更が必要となってきます。
引っ越しが決まったら、手続きを進めてくださいね。
免許証・マイナンバーカード・住民票の旧姓併記が可能になる!
結婚後に旧姓を使用して、仕事を続けたい、という方に朗報です。
今後、免許証とマイナンバーカード、住民票に、旧姓併記ができるようになります。
運転免許証の旧姓併記が可能になる時期は、まだ未定ですが、マイナンバーカードと住民票については、2019年11月から可能になります。
以下、2019年6月13日に発表された情報を引用します。
結婚後に旧姓を使い続ける女性が増えていることを受け、警察庁が運転免許証に氏名に加えて旧姓を併記できるように記載内容を変更する方向で準備していることが13日、分かった。住民票やマイナンバーカードは11月から旧姓を併記できるようになることが既に決まっており、免許証も同時期に同様の表記にする方針という。
結婚後苗字がかわると、あらゆる名義変更が必要。しかも統一していないと、「名前違いますけど?」なんて、いろいろな不具合が生じます。
旧姓併記が可能になるということは、旧姓でも身分証明(本人確認)が可能になるということ。
旧姓併記可能になっても、そのための手続きは必要ですが、結婚後に苗字が変わる人にとっては、ありがたい環境になりますね。
苗字が変わってしまって、家族と離れたようでなんだか寂しい。なんて気持ちも薄れるかもしれません。
名義変更はいつまでに?タイミングは引っ越しが関係してくる
名義変更は「いつまでに」という決まりはありません。
遅くなってしまうと、ケガや病気をした時に保険の適用が遅れたりするなど、様々な場面で支障が。
名義変更は、できる限り早く済ませましょう。
引っ越した場合、転入届は2週間以内の提出となっているので、この2週間以内を目安に、すべての名義変更を済ませるのがオススメです。
『入籍』と『引越し』のタイミングで、手続きの順番がかわる
名義変更の手続きで関係してくるのが、婚姻届を提出する時期と新居への引っ越し時期です。
二人の事情によって、様々なケースが考えられ、名義変更の手続きの順番も違ってきます。
- 婚姻届を提出してから引っ越しをする
- 引っ越しをして2週間以内に婚姻届を提出する
- 引っ越しをして2週間以上経ってから婚姻届を提出する
一番効率がいいのは、2)引っ越しをして2週間以内に婚姻届けを提出する方法。
婚姻届と転入届を同日に役所に提出できれば、役所に行く回数も減ります!
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結婚後の名義変更(氏名変更)、賢い手続きの順番とポイント
まとめ
- 婚姻届・転入届・住民票の写し発行など、役所手続きはまとめて行う
- 運転免許証は身元確認書類として他の名義変更手続きに必要。優先的に変更を!
- 銀行口座の名義を変えたら、クレジットカード会社や勤務先など振込・支払があるところにも必ず届け出る
以上、結婚にともなう名義変更手続き等をご紹介しました。